サステナビリティ

ステージ3:修復・再生する

環境に対する悪影響を最小限に抑えることにのみ目を向けている業界にパラダイム・シフトを起こすため、ケリングは生物多様性に対するメリットやカーボン・ベネフィット(炭素の排出抑制、隔離効果)をもたらす、自然に基づいたソリューションを調達先の地域に提供し、自然生態系の修復と再生に取り組んでいます。こうした取り組みの多くは農業科学や植物学、森林学の研究者と連携しており、科学に基づく慎重な計画に基づいて実施されています。

Phase 3 : Restaurer et régénérer
ケリングのコミットメント

•    先述の通り、ケリングは2025年までにサプライチェーンに関わる地域にある100万ヘクタールの農場および放牧地を再生させます。その際、生物多様性に対するメリットとカーボン・ベネフィットの両方をもたらす活動を優先します。ケリングは先ごろ立ち上げられたConservation International/Kering Fund for Regenerative Agriculture(後述の説明文を参照)を通じて再生を実現する構えで、EP&Lによる環境負荷が最も高いレザー、コットン、カシミア、ウールといった素材に重点を置いています。これらのフットプリントは、ケリングの土地利用フットプリントの合計の約3倍に相当します。


•    2025年までに採鉱やその他の採掘活動が行われている地域で生息地の回復に取り組み、ケリングの(すべての店舗、倉庫、事業所を含めた)“直接的な”フットプリントの合計の3倍以上の面積を修復します。


•    サプライチェーンの中で忘れ去られた植物や家畜の品種を見つけ出し、調達、測定することで農業の回復力を向上させ、単作に過度に依存する産業構造から脱却することで、ケリングの各ブランドで使用されている「材料のストック」を拡大していきます。2025年までに、ケリングのマテリアル・イノベーション・ラボが扱う素材の種類を増やします。

Phase 3 Restaurer et régénérer
実施中の取り組みの注目ポイント:かつての金鉱の環境を修復

仏領ギアナでは環境保護活動に取り組むパートナーのソリカズおよびフォレスト・ファイナンスと連携し、かつて砂金の採取地だった地域の森林再生に取り組んでいます。このプロジェクトは(元の鉱山の30%を修復するよう義務付けた)規制の要件を上回るもので、100%の修復に力点を置いています。アマゾンにある鉱山の完全な森林再生を目指す、初めてのプログラムです。ケリングのパートナーは在来種に関する詳細な生態学的評価からスタートし、現地で植物の苗床を作り、9万本以上の苗木を準備して116ヘクタール以上の土地に植えていくことから始めました。ソリカズの森林再生の専門家はまず、“先駆種”として働く窒素を固定する性質が強い植物に力を入れました。現在、こうして生まれた植生は見事に生い茂り、ケリングのパートナーは定期的に土壌の健康状態や樹木の生育面の質、自然発生的な植物の多様性の出現、土壌呼吸を定期的にチェックしています。このプロジェクトは生態系の完全修復に注力することで現地の生物多様性に資する生息地を復活させるだけでなく、炭素隔離を促すのにも一役買っています。ケリングは現在、活動範囲を他の金鉱まで広げるために他のブランドにも協力を呼びかけているほか、銀やプラチナに関しても同様のイニシアチブを行おうとしています。

Phase 3 Restaurer et régénérer
実施中の取り組みの注目ポイント:再生型農業を通じて生物多様性を築き上げる

ケリングはコンサベーション・インターナショナルと連携した500万ユーロ規模の新規プログラム“Kering for Nature Fund: 1 Million Hectares for the Planet”を通じて、レザー、コットン、ウール、カシミアを中心に世界中の農業および放牧地に関する前途有望なプロジェクトをサポートしていきます。環境再生型農業は農業の一つの側面を一変させる可能性を秘めており、農法や家畜の飼育法の改善を通じて生態系に活力を与え、その力を高めることができるという考え方に基づいています。具体的には、農場の生物多様性を高め、農薬の投入量を減らし、土の保水力を改善し、炭素固定力を高めるもので、農家の生活力の向上にも力を入れています。


ケリングはこれまでに、モンゴルのヤギの放牧地に関する革新的なプログラムをはじめ、環境の再生に直接結びつく多くのプロジェクトを支援してきました。モンゴルでのプログラムはカシミアのサプライチェーンと連動しており、野生生物保護学会(WCS)と連携しながら実施されています。また、Savory Instituteと提携して資源再生型の原材料の生産を促進・支援すると共に、同団体の先進的な手法であるEcological Outcome VerificationTM(EOVTM)を、ウールやカシミアなど放牧を要する動物に由来するレザーや繊維素材のサプライチェーンに活用しています。さらに最近では、中国での綿花のプロジェクトでRAREおよびSouth Poleと提携し、慣行の改善を通じて実現した炭素隔離の定量化に取り組みました。また、業界レベルではOne Planet Business for Biodiversityを通じて食料生産に携わる他企業と手を組み、環境再生型農業の分野で企業間の垣根を超える可能性を持ったプロジェクトを発掘しています。


ケリングはConservation International / Kering Fundの設立を通じて、これらのプロジェクトで収めた成功やそこから学んだ教訓を広げていきたいと考えています。これらのプロジェクトによってサプライチェーンにおける再生素材を大幅に拡大させるだけでなく、2025年までに100万ヘクタールの土地を積極的に転換させ、これに伴う生物多様性に対するメリットやカーボン・ベネフィットを実現していきます。