ブシュロン、アメリカでの新たな章を開く1年

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    2025年12月19日

    ブシュロン、アメリカでの新たな章を開く1年

    2024年のニューヨークとラスベガス、2025年のロサンゼルス、そして間もなくマイアミへ──ブシュロンのアメリカ進出をご紹介します。 

    2024年末、ブシュロンはアメリカへ進出し、新たな章を開きました。アメリカはジュエリー市場で世界をリードし、独自性と革新を求める洗練された顧客層がますます増えています。こうした価値観はブシュロンのブランドコンセプトと深く響き合い、「カルト ブランシュ」ハイジュエリーコレクションは『プレシャス(希少なもの、価値あるもの)』の意味を問いかけ続けています。ブシュロンがアメリカに根を下ろすのは自然な流れでした。2024年末以降、3店舗をオープンし、2026年初頭にはフロリダ州マイアミに4店舗目をオープン予定です。 

    ブシュロンとアメリカ:深い歴史と絆 

    創業以来、ブシュロンはアメリカの顧客に愛され続けてきました。19世紀には、裕福なアメリカ人が最新のデザインを求めて海を越えて訪れていました。その中には、当時パレ・ロワイヤルに拠点を構えていたフレデリック・ブシュロンが手掛けたジュエリーも含まれています。1865年には、ブシュロンの台帳にアメリカの顧客の記録が残されており、後に名門家との強い絆へと発展しました。ヴァンダービルト家、マッケイ家(1871年から1902年までに約55件の注文)、そしてアメリカ史上初の百万長者であるアスター家がその代表例です。

     

    やがてブシュロンはハリウッドとも深い関係を築きました。長年にわたり、エリザベス・テイラーをはじめとする銀幕のスターたちと絆を結びました。彼女はジュエリーと宝石のコレクションで知られ、その中には、1900年にブシュロンにより制作されたアール・ヌーヴォー様式の髪飾りがあり、1976年のアカデミー賞で着用されました。この髪飾りは、プリカジュール、ルビー、エメラルド、アクアマリン、オパールをあしらった作品です。リタ・ヘイワース、バーバラ・ハットン、グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリッヒもまたブシュロンの顧客であり、公私にわたりブシュロンのジュエリーを愛用していました。 

    ニューヨーク初のブティックをオープン 

    アメリカでの最初のブティックとして、ブシュロンはニューヨークを選びました。マンハッタンの名高いマディソン・アベニューに位置するこのブティックは、幾何学的な木製ディスプレイケースや黒漆を施したスタンド、1920年代を象徴する家具など、都市を彩ったアール・デコ様式にオマージュを捧げています。 

    この記念すべき節目を祝し、ブシュロンは特別なイベントを開催しました。ブランドの世界観を体験できる没入型の展示を、新店舗からほど近いクーパー・ヒューイット スミソニアン デザイン ミュージアムで開催。展示は5つの空間で構成され、貴重なアーカイブ作品、最新のハイジュエリーコレクション2種、そしてIRCAM(音響・音楽研究調整研究所)と共同開発した「波の音」をスコアとして刻んだ革新的な作品「Quatre 5D Memoryリング」などが披露されました。  

    「ヒストリー オブ スタイル2024」コレクションより“The Power of Couture(パワー オブ クチュール)” 

    「カルト ブランシュ 2024」コレクションより《オル ブルー》 
     

    《ジャルダン・ディヴェール(冬の庭園)》と《クエスチョンマーク ネックレス》 

    ネックレス《ベル・エポック》1905年 

    「ヒストリー オブ スタイル2024」コレクションより“The Power of Couture(パワー オブ クチュール)” 

    「カルト ブランシュ 2024」コレクションより《オル ブルー》 
     

    《ジャルダン・ディヴェール(冬の庭園)》と《クエスチョンマーク ネックレス》 

    ネックレス《ベル・エポック》1905年 

    「ヒストリー オブ スタイル2024」コレクションより“The Power of Couture(パワー オブ クチュール)” 

    「カルト ブランシュ 2024」コレクションより《オル ブルー》 
     

    その1年後、ブシュロンはセントラルパークの中心で、アメリカ進出1周年を祝うディナーを開催しました。この特別な夜は偶然にも、公園の中心にある大広場ベセスダ・テラスで行われました。ここは1858年に建設された場所で、フレデリック・ブシュロンが初のブティックを開いた年でもあります。  

    「現在の目標は、この地域での存在感をさらに高め、ブランドの価値を広く伝えることです。競争の激しい市場に参入しますが、私たちのメゾンはアメリカの顧客の期待に応えることを確信しています」 

    ──ブシュロン CEO エレーヌ・プリ=デュケン(マディソン・アベニュー店オープニングにて)

    ラスベガスとロサンゼルス:アメリカ西部への展開 

    ブシュロンのアメリカ展開は、2024年12月にラスベガスの高級リゾート「フォンテーヌブロー」でのブティックのオープンへと続きました。このブティックは、ラスベガスならではの華やかさを表現し、パリのヴァンドーム広場の歴史的本店の建築様式を取り入れながら、メゾンが大切にする温かい雰囲気を保っています。 

    2025年6月にオープンしたロサンゼルスのロデオドライブ店は、ブシュロンの戦略における新たな節目を示します。ハリウッド映画とそのアイコンを想起させるアール・デコ調の内装で、メゾンの原点に立ち返るデザインです。メゾンのシグネチャーカラーで特別にデザインされたグリーンの火山岩を用いたファサードは、隣接する店舗群の中でもひときわ目を引き、カリフォルニアにフレンチラグジュアリーの息吹をもたらします。 

    同年10月には、ハリウッドヒルズにある建築家ジョン・ロートナー設計のアール・デコ様式の邸宅「ハーヴェイ・ハウス」で特別イベントを開催しました。「1858年から続く革新の旅」と題された没入型展示会は、クチュール、イノベーション、建築、自然というブランドの4つのクリエイティブな柱を示す4部構成のインスタレーションで、167年にわたるメゾンの歴史をたどりました。フランスのサヴォワール フェールとハリウッドの華やかさ、歴史的な専門性と現代的な創造性を融合させたこのイベントは、まさにメゾンの意志を示すものでした。夜には庭園でディナーが催され、伝説的ギタリスト、ナイル・ロジャースによるスペシャルライブパフォーマンスで華やかに締めくくられました。  

     

    ニューヨーク、ラスベガス、ロサンゼルス…そしてマイアミ。ブシュロンは2026年にフロリダ初のブティックをオープンすることを発表しました。ブシュロンのアメリカでの冒険は、まだ始まったばかりです。 

     

     

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