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2026年1月21日
この新しい旗艦店は、アートコレクターの邸宅を想起させる空間として、メゾンの未来志向のビジョンと、クライアント体験へのこだわりを体現しています。
2025年11月、サンローランは、世界有数のラグジュアリーリテールの目的地であるモンテーニュ通りに新しいブティックをオープンしました。象徴的なこの通りの旧店舗からほど近いこのアドレスは、アンソニー・ヴァカレロによれば、ブランドのフラッグシップコンセプトを究極の形で具現化したものです。サンローランの卓越したサヴォアフェールと文化的洗練を、全体のしつらえから細部に至るまで丁寧に作り込んだ空間で示しています。
かつてのカナダ大使館を改装したサンローラン・モンテーニュは、建築的にも傑作といえる存在です。壁や天井はあえて未完成のように見せるデザインでありながら、随所の精緻なクラフツマンシップが、空間の隅々にまでエレガンスをもたらします。床から天井まで広がる大きな窓、豊かなテクスチャのカーペット、量感あるマーブルブロック、そして上階へと続く二本のモニュメンタルなダークウッドの階段が特徴です。
コレクターの邸宅として構想されたこのパリのアドレスは、メゾンの揺るぎないアートへのコミットメントを映し出します。ピノー・コレクションの作品群――階段上に堂々と配されたマーク・ブラッドフォードの未公開作品を含む――が空間と呼応し、現代美術との強い結びつきを示します。館内を進むと、フランス装飾芸術とデザインの名品が次々と現れます。ジャック・アドネ、モーリス・デュフレーヌ、スュー&マール、フランソワ=グザヴィエ・ラランヌ、ヨーゼフ・ホフマン、ジャン=ミシェル・フランク――その顔ぶれが物語ります。
歴史的な意味を帯びたピースも並びます。かつてイヴ・サンローランとピエール・ベルジェが所有したポール・ポワレのデイベッドは、ムッシュの精神へ捧げるオマージュ。その佇まいは、レガシーと情感を静かに伝えます。このヘリテージとの対話は店舗の外にも及び、創設者の旧クチュールアトリエ兼サロン(5 Avenue Marceau)に位置するフォンダシオン・ピエール・ベルジェ=イヴ・サンローランとの近さにも呼応します。
“ピエール・ベルジェとイヴ・サンローランが築いた美学に、私は強く魅了されています。ただ、それは美しさそのものというより、むしろ“厳格さ”でした。私は彼らが何をしたのかをなぞるのではなく、その厳格さを自分の世界に取り入れています”
ブティックでは、ライフスタイル、ウィメンズおよびメンズのレディ・トゥ・ウエア、レザーグッズ、シューズ、ファインジュエリー、フレグランスまで、サンローランのすべてのラインが3フロアにわたって展開され、メゾンの世界観へ、深く没入できる構成となっています。
1階のメインフロアは、2台の大きなマーブルテーブルから始まります。ジュエリーやハイエンドのホームオブジェ、アイウエア、フレグランスといったライフスタイルアイテム、そしてレザーグッズをキュレーションしています。上階へ進むと、長方形と円形のサロンが連なる2階へ。ウィメンズウエアとアクセサリー専用のフロアで、上質なフィッティングルームを備えます。
最上階はメンズウエアのフロアです。低いマーブルベンチを配した広いテラスへと開かれ、8区の中心にありながら、静謐なひとときをもたらします。さらに、レディ・トゥ・ウエア、レザーグッズ、シューズを対象とする、メゾン初のメイド・トゥ・オーダーサービスの専用ルームも併設。1967年、シャルロット・ペリアンが在パリ日本大使公邸のためにデザインし、サンローランが復刻したベンケットという、比類ないデザインピースもここで目にすることができます。
これらすべてが、唯一無二の体験の創出に寄与し、その価値を、モンテーニュという特別なロケーションがさらに押し上げます。CEOのセドリック・シャルビはWWDの取材に対し、こう語っています。「このストアは、商業的であると同時に戦略的な役割を担うフラッグシップとして、世界の主要プレイヤーの中で存在感を高めるという私たちの目標を反映しています」 さらに、2023年12月にオープンしたサンローラン・シャンゼリゼの旗艦店からも至近です。この強い拠点性がブランドの魅力を高め、メゾン誕生の地であるパリとの深い結びつきをいっそう際立たせます。セドリック・シャルビの言葉を借りれば、「サンローランはパリであり、パリはサンローランなのです」。
“商売の場から体験の場へと転換しました。クライアントはゲストであり、ホスピタリティはひとつのスキルなのです”