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ケリング・グループ
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2025年11月28日
毎年11月20日と25日は、子どもの権利と女性に対する暴力根絶の重要性を世界に呼びかける日です。こうした啓発活動に加えて、暴力の被害者を保護し、支援するための活動は、日々現場で続けられています。
ケリング・ファウンデーションのエグゼクティブ・ディレクターのセリーヌ・ボネールが、各団体への長期的な支援に対するファウンデーションの取り組みについて語ります。
11月25日は、女性に対する暴力の現実を広く認識させる重要な日として、ファウンデーションにとって常に大切な意味を持っています。さらに2023年以降、私たちは活動の範囲を広げ、子どもへの暴力、特に性的虐待や近親相姦にも取り組んでいます。そのため、11月20日も私たちにとって重要な日となりました。
この決断は、支援先の団体から寄せられた声に基づいています。多くの女性被害者が、幼少期にも虐待を受けていたという事実があるからです。女性への暴力を本当に終わらせるためには、被害者を支援するだけでなく、その根本原因に取り組む必要があります。こうした国際デーを通じて、女性への暴力と子どもへの暴力という両方の課題に同時に光を当て、解決に向けた行動を促す機会なのです。
基本的な姿勢は変わりません。私たちは引き続き、地域に根ざした団体との長期的なパートナーシップを築いていきます。ただし、新たな方針により、これまで優先事項が異なり、連携が難しかった団体同士をつなぐ役割も担うようになりました。
世代を超えて続く暴力の連鎖を断ち切るためには、関係者の協働が不可欠です。私たちはその橋渡し役となり、虐待の予防と被害者支援の両面でより効果的な取り組みを進めています。
私たちは2008年に、この世界的な課題に立ち向かう決意を固めました。女性の3人に1人が、生涯で家庭内暴力を経験するという現実に対し、私たちは信頼と柔軟性に基づく長期的なパートナーシップを通じ、現場での実践的な支援を提供してきました。
La Maison des femmes de Saint-Denis(フランス・サン=ドニの「メゾン・デ・ファム」)は、その理想的な事例です。この取り組みを、私たちは構想段階から支援してきました。当時は、ガダ・ハテム=ガンツァー医師の強い信念に支えられた単なるプロジェクトに過ぎませんでした。そのアイデアは、女性が包括的な医療、心理、社会、そして法的支援を一か所で受けられるセンターを創設するというものでした。有効性が証明されると、「メゾン・デ・ファム」は公的な認知を得て、フランス保健省から資金提供を受け、プロジェクトの長期的な存続が保証されました。2021年には、フランソワ=アンリ・ピノーがこのモデルの全国展開を支援することを発表しました。ケリング・ファウンデーションが支援を約束した15の「メゾン・デ・ファム」のうち、すでに8か所が開設され、全国でパートナー団体が活動を展開しています。
また、18歳から25歳の若い女性に安全な住居と自立支援を提供する「Mon Palier」プロジェクトも支援しています。
過去17年間で、女性への暴力に対する認識は多くの団体やコミュニティの努力により高まりました。私たちの役割は、この流れを後押しし、女性を日々守り、支える団体を支援することです。
第一の柱は、女性と子どもを支援する専門団体への資源提供と、幼少期から始まる予防活動の支援です。私たちは、限られた数の団体とパートナーシップを築き、それぞれのニーズにきめ細かく対応できる支援を行っています。最近の取り組みの一つは、ブルターニュにあるアレクシ・ダナン協会への支援です。この団体は、子どもが司法手続きを受ける際の心理的負担を軽減するための準備を行っています。また、私たちはIM’PACTESの主要パートナーでもあります。この団体は、ケアを必要とする子どもたちを支援しており、12月には「アステリアセンター」を開設予定です。このセンターは、子どもたちが回復を目指す過程で、医療、心理、教育、文化的ケアを包括的に受けられる場所となります。
第二の柱は、ケリングとそのエコシステム全体の参画です。2011年、私たちはフランスのFédération nationale Solidarité Femmesなどの団体と協力し、啓発プログラムを開始しました。現在、これらの研修は、2.5時間のワークショップ、1.5時間のウェビナー、30分のeラーニングという形式で提供されています。さらに、米国のChildren’s Advocacy Centersと協力し、児童虐待防止のためのパイロットプロジェクトにも取り組んでいます。私たちの目標は、虐待の影響を受けた人が声を上げ、支援を受けられる安全な職場環境をつくることです。
そして第三の柱は、新たな担い手を巻き込み、影響力を発揮することです。ケリング・ファウンデーションは、フランスでジェンダーに基づく暴力の根絶を目指す約50社のネットワークOne In Three Womenの共同創設者であり、2024年からは24社のイタリア企業とともにイタリアのPARI Insieme Contro la violenzaにも加盟しています。
さらに、過去4年間にわたり、共通の目的を支援するためにアーティスト、ブランド、ドナーを結集するCaring for Womenディナーを開催してきました。このイベントは、ジェンダーに基づく暴力に対する国際的な認識を高めると同時に、総額1,400万ドルを調達しました。
近年、権利の進展や認識の高まりは見られるものの、資金不足や組織の脆弱性、男性優位主義の台頭、そして若者がオンラインで暴力にさらされる現状など、課題は山積しています。
この状況を打開するには、誰も単独では成し遂げられません。団体、行政、企業、研究者、家庭が一体となって取り組むことで、世代を超えた暴力の予防と根絶が可能になるのです。
“「現場での経験から明らかになったことがあります。それは、虐待は非常に早い段階で起こるということです。これを防ぐには、子どもたちの声に耳を傾け、守り、幼少期から継続的に支援していくことが不可欠です」 ”