ケリング・グループ

パリからトリノ、そしてソウルへ。 「ウーマン・イン・モーション」がヴィヴィアン・マイヤーの回顧展を支援

「ウーマン・イン・モーション」が支援するヴィヴィアン・マイヤーの回顧展は、パリとトリノに巡回した後、8月4日から11月27日までソウルにて開催されます。ケリングは、この展覧会の巡回を支援することで、写真における女性の貢献と認識について議論を促し、女性への支援を強化します。

ヴィヴィアン・マイヤーを探して

1926年、ニューヨークに生まれたヴィヴィアン・マイヤーは、1950年代のアメリカ社会をとらえ、社会と政治の大きな変化、アメリカンドリームの台頭、そして現代性を、常に首に「接着」しているローライフレックスを通して観察していました。しかし、彼女が乳母として働いていたニューヨークやシカゴの街角で撮影した写真は、一度も出版されることはありませんでした。経済的な理由から、ヴィヴィアン・マイヤーは生前、ほとんど写真を現像せず、ネガを箱に詰めて倉庫に積み上げていました。ヴィヴィアンは警戒心の強い、私的な人間であり、情熱を自分の胸にしまい込んでいたのです。一見すると、彼女は一度も自分の写真で生計を立てようとしたことがないように見えます。

 

2007年に彼女のフィルムが保管用ロッカーの代金滞納で競売にかけられるまで、彼女の作品はほとんど世に知られることはありませんでした。買い手の一人であるジョン・マルーフは、ネガをデジタル化する前にその価値を認めていました。そして、『Vivian Maier, Street Photographer(原題)』という本を出版し、アメリカのマスコミの注目を集めました。2011年以降、ヴィヴィアン・マイヤーの作品に関する展覧会が企画され、没後の写真のスターが誕生したのです。2021年、リュクサンブール美術館は、この写真家に捧げる世界初の回顧展を開催しました。 

「ウーマン・イン・モーション」の支援による過去の展覧会

パリ・リュクサンブール美術館

2021年9月15日~2022年1月16日

2021年、リュクサンブール美術館は、ケリング「ウーマン・イン・モーション」の支援によりマイヤーの回顧展を開催しました。アンヌ・モランキュレーションしたこの展覧会は、ヴィヴィアン・マイヤーの作品に潜む美意識の複雑さと多様性をすべて明らかにしました。また、2007年に発見されたヴィヴィアン・マイヤー本人が現像したヴィンテージ写真、スーパー8フィルム、オーディオ録音など、数々の未公開作品が展示されました。

トリノ・トリノ王宮博物館

2022年2月9日~6月26日

パリで20万人以上の来場者を迎えて成功を収めた後、展覧会はトリノ王宮博物館のキアブレーゼ棟に巡回をしました。本展では、ヴィヴィアン・マイヤーがイタリアを旅した際の写真も一部展示され、トリノやジェノバでの未発表作品が紹介されました。この回顧展は、ケリングとグループ・ブランドにとって特別な意味を持つ国でもあるイタリアで「ウーマン・イン・モーション」が支援する初めてのイベントでもありました。

ソウル・グラウンドシーソー聖水

2022年8月4日~11月27日

そして、1959年にヴィヴィアン・マイヤーが旅行で訪れた香港、タイ、マレーシア、シンガポール、インドを含むアジアで展覧会が開催されることになりました。2022年8月4日から11月27日まで、韓国、ソウルのギャラリー「グラウンドシーソー聖水」で、彼女の旅の写真が展示されます。「ウーマン・イン・モーション」としては、初めて韓国でのイベントを支援することになりました。これは、アジア諸国における女性の芸術への貢献に光を当てる取り組みやプロジェクトの今後の展開を反映したものです。

作品画像を見る

New York, NY, 1953 ©Estate of Vivian Maier, Courtesy of Maloof Collection and Howard Greenberg Gallery, NY

Chicago, IL, 1960 ©Estate of Vivian Maier, Courtesy of Maloof Collection and Howard Greenberg Gallery, NY

Chicago, IL, n.d. ©Estate of Vivian Maier, Courtesy of Maloof Collection and Howard Greenberg Gallery, NY

Armenian woman fighting on East 86th Street, New York, NY, September 1956 ©Estate of Vivian Maier, Courtesy of Maloof Collection and Howard Greenberg Gallery, NY

Central Park Zoo, New York, NY, 1959 ©Estate of Vivian Maier, Courtesy of Maloof Collection and Howard Greenberg Gallery, NY

Self-Portrait, 1955 ©Estate of Vivian Maier, Courtesy of Maloof Collection and Howard Greenberg Gallery, NY

Untitled, n.d. ©Estate of Vivian Maier, Courtesy of Maloof Collection and Howard Greenberg Gallery, NY

Untitled, n.d. ©Estate of Vivian Maier, Courtesy of Maloof Collection and Howard Greenberg Gallery, NY

Self-Portrait, 1956 ©Estate of Vivian Maier, Courtesy of Maloof Collection and Howard Greenberg Gallery, NY

Self-portrait, n.d. ©Estate of Vivian Maier, Courtesy of Maloof Collection and Howard Greenberg Gallery, NY

数字で見る展覧会

+260 000

パリとトリノの展覧会来場者数

270

点に及ぶモノクロ・カラー作品の展示

3

つの国に展覧会が巡回

9

つのセクションで紐解くヴィヴィアン・マイヤーの人生

その他の活動

「ウーマン・イン・モーション」は、映画やアニメーション、写真、造形美術のあらゆる分野の女性たちにスポットライトを当て、芸術と文化を支援することに尽力しています。「ウーマン・イン・モーション」のプログラムは、展覧会や研究、出版物の企画などを通し、人々の視点を変え、男女平等を推進することを目的としています。「ウーマン・イン・モーション」に関する活動についてはこちら