フローレンス、ブシュロン　東南アジア　ブランドディレクター

架け橋を築く人

フローレンスは、大胆な姿勢と積極的な人脈作りによって大きな転機を迎え、ラグジュアリー業界で豊かなキャリアを築きました。

東京で生まれ、フランスで育った彼女の国際的な視点は、彼女のキャリアの歩みにおいて欠かせない要素です。ローザンヌホテルスクールでホスピタリティを学び、その後HECパリで戦略マネジメントの修士号を取得しました。そこでケリングのインフルエンシャル・ラグジュアリー認定資格を取得し、この経験が大きな転機となりました。ケリングについて理解を深め、ラグジュアリー業界で働きたいという願望が強まったのです。

フローレンスは、自身のキャリアは感動的な出会いと偶然の幸運によって切り開かれたと考えています。学生時代、彼女は内気さを克服し、リーダーや影響力のある人物に積極的に近づくことをためらわないというアドバイスを受けました。このアドバイスのおかげで、彼女はそれ以来、成長と成功を収めてきました。

「HECパリで、現在ケリングのデピュティCEOを務めるジャン＝マルク・デュプレが主催するM&Aカンファレンスに参加した際、論文のためにインタビューできるシニアリーダーを見つける機会がありました。その機会を逃さず、ジャン＝マルクが当時のケリングのM&Aディレクターを紹介してくれました。彼は論文のために私と話すことに同意してくれただけでなく、ケリング アイウエアが日本で立ち上げられることを教えてくれ、そこでの仕事を紹介してくれました。6週間も経たないうちに、私はケリング アイウエアの仕事を引き受け、東京に引っ越しました。私のモットーは『橋を架けるチャンスを決して逃さないこと』です。それがどこに導くかは誰にも分からないのですから！」ケリング アイウエアの東京における最初の社員として、彼女は部門をゼロから構築し、チームを立ち上げ、業務を整理し、ケリング アイウエアが新しい市場に根付くよう尽力しました。ケリング アイウエアは2014年に設立されたばかりの新しい会社でした。「プロジェクトマネージャーとして、この業界について学びながら、事業の立ち上げに必要なすべてのことを担当しました。会社が急速に成長していたので、素晴らしい経験でした。まるでアイウェア業界に革命を起こしているような気分でした。私が入社した当時、世界に約60人の従業員がいましたが、私が退職する頃には1,500人にまで増えていました」

2018年になると、ラグジュアリー分野をもっと知りたいと思うようになり、ブランド本社で「鏡の向こう側」を見たいという気持ちが強くなりました。マネージャーのサポートを受けて、パリに戻り、ブシュロンのジュエリー・オペレーショナル・マーケティング・マネージャーに就任しました。1年も経たないうちに、CEOのエレーヌ・プリ＝デュケンのチーフスタッフに昇進しました。「私の役割は多岐にわたり、戦略計画と部門間の協力の中心にあり、変革の触媒として機能していました」

4年後、彼女はシンガポールでブシュロンの東南アジアにおけるブランドディレクターとして新たな挑戦に取り組む機会を得ました。「パリで素晴らしいCEOのもとで働くことはやりがいがありました。ですが、エレーヌは私にもっと先を見据え、次に何をすべきかを考えるよう勧めてくれました」彼女はその積極的な姿勢もあり、スムーズに人脈を築き、グループのネットワークを活用して日々のビジネスをサポートし続けています。「シンガポールに着任して以来、私は率先してメンターとなる可能性のある人々にコンタクトを取り続けてきました。早い段階でグッチの南アジア太平洋地域のプレジデントとも関係を築いていました。ある日、彼がバンコクへの出張を言及した際、私は同行を申し出ました。2日後には彼と複数の地主との会議に出席し、グッチと共にブシュロンを紹介しました。そして数か月後、ブシュロンはそこでスペースを確保できたのです」

フローレンスは、今後も「橋を架け続けたい」と考えています。人と人、マーケット、役割、部門の間に架け橋を作ることです。ケリングに入社する若手へのアドバイスは、次のように話します。「グループ全体、そしてグループを超えて、常に誠実で信頼できる関係を築くことです。イベント、人材プログラム、学習セッションなど、つながりを築く方法はたくさんあります。こうした交流は、異なる視点や同僚からのサポートを得られるため、非常に貴重です。ケリングのグローバルなプレゼンス、多様なブランドを含む広範なネットワークを考えると、こうした橋を架けることはより容易で、より効果的です」 

フローレンスへの6つの質問 

仕事の一番良いところ：融通が利く点です。パリでもシンガポールでも、勤務時間を管理でき、経営陣からの信頼も得ているため、仕事とプライベートのバランスをうまくとることができます。

メンター：ジャン＝マルク・デュプレは、2015年にHECパリで彼の講演に参加して以来、私にとって大きなインスピレーションの源です。現在のブシュロンCEOであるエレーヌ・プリ＝デュケンは、あらゆる面で私が成長できるように常に後押ししてくれます。

ニックネーム：シヴァです。多腕のヒンドゥー教の神ですが、マルチタスクをよくこなすからです。

モットー: 私のモットーはよく変わります。現在は「間違ったKPIに従わない」です。間違った指標に焦点を当てると、ビジネス上の判断を誤る可能性があるからです。

仕事上の最大の功績：ブシュロン初のサステナビリティ・フレームワークの立ち上げと、初のインパクトレポートです。このレポートは、サプライチェーンのトレーサビリティ向上や新しいパッケージの取り組みなどの具体的な行動に基づいて、ブシュロンの野心的な目標を設定したもので、業界全体にも大きな影響を与えたと思います。

最も身につけたい才能：仕事上では、優れた「逆算志向」に憧れていますが、ハードルは高いです。個人的には、もっと上手に歌えたらいいなと思います。